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有・罪・判・決3_小説冒頭

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有・罪・判・決3

 気持ち良く快晴の朝。
 佐納章彦検事は、先輩同僚結城敬信(たかのぶ)と、職務上庁舎を出ていた。
 いくつか銀行などを回ったあと、「佐納さん?」と、誰かに呼び止められて振り返る。
 歩道の端に、茶色のBMWが駐車されていて、その側の歩道に、マネキンのような美青年が立っていた。車と合わせたかのような、光沢のあるマルーンカラーのダブルのトレンチコート。ベルトを前で無造作に結んでいる。
「佐納検事、お久しぶりです。同僚のかたですか? 初めまして。松崎久嗣です。何かありましたらお伺いします」
 結城に名刺を渡す松崎。当然、弁護士の名刺だ。結城がくちびるをへの字に曲げた。一応結城も名刺を渡している。
「阪急電車の広報マンか思うたわー」
 結城の嫌味は、松崎の笑顔を曇らせる事は無かった。章彦をジッと見つめてニコッと笑う。
「ようやく愛車の洗車が終わりまして、連絡があったので大阪まで取りに来ました」
 『洗車』していたのは章彦と勝輝で『使った』からだ。言われなければ章彦は気付かなかった。そういえば、日本橋で乗せられた車はこの色だ。
 赤くなっていいのか青くなっていいのか、章彦は迷って無表情を通した。
「東京まで送ったえーのに」
「ドライブも好きなので、今からこれで東京に向かいますよ」
「そら、お疲れさん。佐納、行くぞ」
「お忙しいところお引き止めして申し訳ありませんね。佐納検事に、東京ではもう会えないかと思っていたもので、嬉しかったですよ。ご機嫌よう」
 まさか、章彦がここを通る事を見越して待ち伏せしていたのではないだろう。だが、本当に偶然なのだろうか。偶然でないとすればどうだと言うのだ。待ち伏せをして、松崎になんの得があるというのか。嫌味を言うだけにしては、時間を掛けすぎだ。
 そう思うと、偶然だと納得できて、章彦は安心した。
「相変わらずハッデな男やなぁ、あれ」
 結城が、いやそうに呟いた。
「ご存じなのですか?」
「そりゃ、西宮からよう愚痴聞くから。あー、西宮って、東京のマルボウの後輩。二階堂組が担当に入ってて、あいつとよう話しとるらしい。あいつが入って来たら、立件も難しい言うて、めっさ嫌がっとった」
 マルボウとは暴力団担当部署の事だ。柔道をしている関係上、結城はそっち方面と人脈があるらしい。
「そういえば、二階堂組の顧問弁護士だったのですね」
「たまに大阪でも弁護士しとるで。民事にようからんどるみたいや。地元こっちやしな。電気屋の次男坊や。あっこ経営が下手らしくて、ようなんかやっとるなぁ……何回か倒産しかかっとる筈やし。そのたびにあいつが帰って来て民事訴訟起こしとるらしい。息子が弁護士なんやから、契約書とか先に見せて確認させたえーのに。そんな親からようあんなん出て来たわ。まさに鳶が鷹生んだんやなぁ」
 さすが大阪の男。これだけの会話を一瞬で口にした。別段、章彦は松崎に興味が無かったので、右から左に聞き流す。問題は帰宅してからだったのだ。
 勝輝が来ていた。
 リビングのソファーにふんぞりかえってテレビを見ている。ローテーブルをオットマンのように使っていた。
「テーブルに足を上げるな」
「今日、男と街歩いてたって? 誰だよそいつ」
 開口一番、勝輝はそう睨み上げてくる。
 松崎から聞いたのだろう。松崎は結城と名刺交換をしていたのに、結城が章彦の同僚だと言っていないのか、勝輝が無視しているのか、たんに文句を言いたいだけなのか……と、章彦は考えたが、言った事は同じだった。
「テーブルに足を上げるな」
 自分の言葉を取り合わない章彦に、勝輝が眉を寄せて不機嫌オーラをまき散らす。ああもう面倒臭い……疲れているのに……と、章彦は大きなため息をついた。
「仕事中に抜け出して、ラブホでも行ってたのかよっ!」
 勝輝はあくまでもソファーに転がったままだ。怒っている時の勝輝の癖だった。絶対に自分では動かない。章彦がソファーに座るまで怒鳴り続ける。
 付き合っていられるか。章彦は勝輝が動かないのを逆手にとり、ジャケットを脱いで部屋を跳び出した。勝輝にうるさく言われるぐらいなら、ジムの仮眠室で寝た方がましだ。こういう時のために、ジムのロッカーには出勤用のスーツを一揃え置いてある。しっかり泳いで、長風呂でまったりして、仮眠室で熟睡して……章彦は気分よく出勤した。
 問題は、翌日の夜だった。持ち越されただけだったのだ。
 章彦は玄関まで榊に送ってもらい、リビングに鞄を置いて腰掛けると、後ろから抱きつかれた。
「よくも昨日は無視してくれたな……章彦」
 彼がいるのを忘れていた……
 章彦は首を押さえられたまま、俯せにソファーに押し倒された。ソファーの背に、腰を持ち上げられたのに、初めて焦る。下を向いているために後ろがまったく判らなかった。
 ベルトを抜かれ、ズボンを下ろされる。下着の上から最奥を押さえられると、ソファーの座面にわたわたと手をついた。久しぶりにジムに行ったために、あちらこちらに軽い筋肉痛が来ていて、力を入れると痛い。軽く腰近くの背中を押さえられただけで、立ち上がる事も、振り返る事もできなかった。
 足を持ち上げられて、足首に何かを巻かれた感触。そのあと、足を下ろされたが、どうやら何かで足をソファーの足にくくられたらしい。腰を押さえたまま前に回ってきた勝輝は、章彦の手首にストッキングを巻き付けて、やはりソファーの足にくくり付けた。
「お前っ! 何をしているのかわかっているのかっ!」
「俺を無視してくれた章彦に、お仕置きしてんだよ」
「仕置き? そんなもの、されるいわれが無い!」
「そう思ってるから、するんだろ」
 章彦はソファーに、俯せに張り付けになってしまった。
 勝輝はやっと章彦から離れ、カーテンを閉める。それから、章彦の口にタオルを突っ込み、もう一枚のタオルでさるぐつわを掛けた。
 ただでさえ苦しい体勢なのに、これでは嘔吐すれば鼻が詰まって窒息死の危険性が高い。しかも、口が塞がれているから訴える事もできない。心臓より頭が下にある。まさか長い間されはしないだろうが、血が頭に上っても危険だ。
 ベッドでするセックスでも、失神するまでされる事に不安があるのに、こんな……生死が危うくなるような方法は冗談ではない。けれど、俯せで四肢が動かないようにされては、もう、どうしようもできなかった。
 勝輝は章彦の腹とソファーの背の間に新聞紙を押し込んで、辺りの床にもまき散らす。
「とりあえず、一回しよっか……」
 勝輝がソファー越しに抱きついてきた。腹に手を突っ込んでベルトをはずしている。下着とスラックスを一緒にずらされ、奥にローションを塗られた。ひやりとしたその感触に章彦は暴れるが、そんな事で勝輝が止まる筈も無い。
 ズグッ……と、滑りに乗って先端がめり込んで来た。まるで頭に突っ込まれたかのように、映像が見える気がして、章彦は目をうるませた。
 なんの愛撫も無く開かれた最奥は、わずかに、ほんのわずかに痛みを感じたけれど、まるで大好物を口に突っ込まれたかのようにむしゃぶりついた。それが章彦にもわかって身を震わせる。
 今はただ熱いだけ、圧迫感があるだけのそれが、その後どうなるか、もう、知り過ぎるほどに知っているから……体が、期待して、頭が茫として行くのだ。
「あー……あったかい……章彦、好きー……大好きー……」
 奥まで突っ込んで、勝輝がため息のように呟く。外出を待ちきれない子供が、玄関で足踏みをするかのように、入れたまま揺さぶられてそこがキュッと勝輝を噛んだ。その圧迫感に勝輝は小さく呻き、勝輝に中を突き上げられた章彦は背を震わせる。腰が微妙に上下させられると、ソファーに上半身の体重を支えている肩に負担が来るのと、うがたれている勝輝自身を強く感じてしまって、たまらないのだ。
 しかも、すでに固くなっているらしい章彦自身は、ソファーの背に遮られて、勃ち上がる事ができない。足と同じ方向に大きくなって、腹の間に敷かれた新聞紙を濡らしていた。
 勝輝は章彦のジャケットやシャツを払い、白い腰から背中を露出させる。肩甲骨まで蛍光灯の光にさらされて、まるで発光しているかのように見えた。尻と腰を密着させたまま、尻から腰骨へと両掌を這わせる。皮膚の下で章彦がビクビクと跳ねているのが、楽しくて、かわいい。
 いつも思う、この蜜のような肌。男は女より皮膚が丈夫な分、硬いものだ。章彦の体も、最初はピンと張って硬いだけだった。それが最近は、触るとしっとりと熱く濡れてきて、掌が吸いつくのだ。
 俺がこうしたんだ。
 勝輝は、この白い体に対する征服欲を感じてぞくぞくした。
 痒い所をかくと、神経が敏感になって、もっと痒くなる。またかく。かくからもっと神経が敏感になって……という悪循環がある。セックスに関しても、愛撫されて感じると、そこが敏感になって行く。特に男は『必ずイける』から、その絶頂と一緒に皮膚感覚を鋭敏にして行く事が簡単だ。
 以前はただ、なめらかなだけだった肌が、愛撫の快感を熟知すると、もっと触って欲しくて肌の緊張を解く。それが『やわらかさ』になるのだ。
 心では抵抗していても、章彦の体はもうこんなに素直になっている。本人は否定するだろうが、この肌が証拠だ。この白い肌は、勝輝の存在を受け入れていた。
 そして薄く溢れた汗は、肌温度を下げている。
 冷たい肌に触れると、男は無条件で興奮する。大体、女は男より体温が低いからだ。
 冷たい体は、抱ける体。
 それは男の遺伝子に組み込まれた快感要因だった。章彦は体を鍛えているので、女性ほど体温が低い筈は無い。だが、この状態で汗をかいてしまうと、皮膚表面の温度は下がる。汗を掻いているのも、セックスに興奮しているからだ。それを掌から感じて、勝輝はたまらなく欲情した。
「章彦の背中……凄い…………きれ……ぃ……」
 筋肉の盛り上がりの一つ一つを指先で辿り、舐め上げるように掌でなで上げる。勝輝が指を動かすたびにその肌はびくびくとひくつき、弛緩して、もっと指をくれ、と言っているかのようだ。
 呑み込まれそう……
 勝輝は、誘われるかのように、その肌にくちびるを落としていた。章彦と同じように腹から俯いて、背筋を舐め上げる。両手は章彦の体を這い回っているので、爪先立ちになり、体重を全部章彦に掛けていた。
 背中を十分堪能したあと、一端脇腹から腰まで掌を這わせて、今度は腹側に指を送り込む。
 薄くついた腹筋、つるつるしている肋あたり。マッチョと見えない程度に綺麗についた胸筋。
 そして……ふにゅ……と指先に感じた、乳首。
 ふにゅりふにゅ……二三回そこを指先で撫でると、やわらかいそれはマシュマロのように揺れて、そののち、ぷくりと堅くなる。今度はコロコロとビーズのように転がった。
 ここも、最初は全然堅くなかった。ふにゅふにもしていなかった。
 レイプされた激痛に全身が緊張しても、まったくフラットだったのだ。
 勝輝が撫でて感じさせてかわいがったから、普段でもふにゅと盛り上がるようになった。
 かわいい。
 前は一ミリも盛り上がらなかったそこが、もう三ミリほどの肉芽になっている。そこをコリコリすると、まるでスイッチをいじっているかのように、勝輝もキュッキュッと噛まれるのだ。
 目で見て、そこをいじるのもイいけれど、こうして背中しか見えない状態で、手さぐりで乳首をいじるのも、頭の奥がカーッと熱くなるほど、面白い。
 勝輝は、何度も何度もくちびるを舐めながら、見えない乳首をコリコリといじり続けた。
 章彦の方も、さるぐつわの下、息が荒くなっている。
 一回目は、挿れるとすぐに動き出すのが常なのに、勝輝は長い間尻を撫でていた。それだけでそこの脂肪が溶け出しそうに熱くなって、章彦はたまらない。その掌が腰から背中へときた時には、尻の熱が浸食してきて、体が溶けそうに感じた。
 愛撫、ではない。
 まるで美術品の品定めをしているかのように、皮膚を一ミリずつ辿っている、指。薄くかいてしまっている汗が、冽たい。勝輝の掌が、熱い。
 まるで、激しく動いて熱くなってしまう肉の中のように……熱い……その熱だけで、章彦は頭がくらくらした。
 自分が、勝輝を待っている事を感じる。
 もっと動いて。もっと撫でて。もっと、気持ち良く、して……!そう叫んでいる己の中の誰かを、必死で闇の奥にしまい込もうとしている自分。
 普段ならこんな事は考えない。いつでも勝輝は激しく動いてくるから。静かになるのは章彦が二三回イッてから。その時は体も頭もとろけていて、勝輝に抱き締められる事に忌避感など無い。
 けれど、今は違う。まだ理性がある。
 それなのに、勝輝が静かで……けれど掌が熱くて…………たまらない。
 頭に血が上って来る。折り曲げられている腹が苦しいのに、尻を開かれていて、腰骨から上半身が取れてしまいそうだ。下半身だけになった自分の腰を、勝輝が無我夢中で突き上げている光景が想像できて、章彦は震え上がった。
 気持ち悪いのに、気持ちイい。これはこの体勢のせいだ。苦しい息のせいだ。それはわかっていても……、混乱して行く。思考力が無くなって行く。
 勝輝の掌が腰まで戻って……ようやく動いてくれると思ったのに、腹に、来た。みぞおちを上がって来る。
 胸に……!
 この状態で胸をいじられたら……狂ってしまうっ!
 章彦は慌てたけれど、上からベッタリと体重を掛けられていてはもがく事もできない。
 ふわり、と撫で過ぎる、指。そのまま首筋に来るのか脇に来るのか……と想っていたら、また肋まで、戻った。そしてまた……
 やわらかい乳首がかろうじて指に揺らされる。そのたびに、ヒュッ……ヒュッ……と、わずかな熱と、それが冷める時の冷感。そして……もう触ってくれないの? という残念感が合わさって、震えた……とたん、次に来た指にそこがキュリッ……と引っ掛かった。
 先程までやわらかかったそこが、キュッと固くなって勝輝の指を引き止めたのだ。まるで、私はここにいるから行き過ぎないで、とでも叫んでいるよう。案の定、戻ってきた指が指先でそこをキュキュッと撫でてきて、章彦は無意識に腰をうごめかせた。
 どんどん頭が熱くなって行く。渇ききっていた筈の瞳がうるんで、絨毯の模様が見えなくなって行く。親指と人指し指で両方同時につままれたら、キュイン……と、金属音がしたような気がした。甘さがそこから股間に駆け抜けて、腰が甘くとろけて行く。胸が燃え上がって行く。くちびるが震えて……タオルをがじがじとしがんだ。タオルの毛羽が上顎の奥に当たるのさえ、感じてしまう。
「章彦の乳首、かわいい、好きっ」
 勝輝が、子供のように笑いながら、そこを両方同時にキュッキュッキュッキュッとつまむ。
 ギュンギュンギュンギュンッ……と最奥がねじれる。
 ギュリッギュリッギュリッギュリ……と、勝輝のものが中でずれてこすれて、煽られる。
「もう、乳首だけでイケるんじゃない? 章彦」
 そんな馬鹿な筈があるかっ!
 そう怒鳴りたかったけれど、イく寸前の甘さが股間に満ちてきて、首を打ち振った。首回りに絡んでいるシャツやジャケットが鬱陶しい。
 早く動いて欲しい。突き上げて欲しい。もっと抱き締めてっ……イかせてぇっ!
 口が開いていたら、章彦は叫んだだろう。胸を触られているだけで絶頂しそうになっているのは確かだった。
 けれど、さすがにそれだけでイけはしない。もどかしい感覚が、胸の二カ所と股間にじくじくと溜まっていく。
「かわいいけど、乳首はしばらくお預けねー」
 勝輝が、ようやく胸を手放して、章彦の腰を掴んだ。
「イきたいでしょ? イかせてあげる」
 言うが早いが、ガツガツと突き上げてきた。待っていた感覚に、章彦は全感覚を開いてそれを受け入れる。
 勝輝が太くなった。章彦が締め上げたからだ。もっと勝輝を感じて、章彦が尻を揺さぶった。
 このままっ……イかせてぇっ!
 勝輝は、章彦の願いをかなえてくれた。
 ヒュウッ……と、解放される甘い監獄。絶妙の瞬間に絶頂して、章彦は失神しそうな程、その快感を味わった。体勢も忘れてうっとりする。勝輝がすぐに離れてくれたのも良かった。
 ただ、一人でその悦楽を享受できるのは、至福だ。イッたばかりの体を撫でられると、くすぐったくて、快感が逃げてしまうのだから。
 章彦の目の前の絨毯が、白い皿で覆われた。そこにぼたり……と粘度の高い液体が落ちる。それは章彦の口からしたたった唾液だった。
 その音がとても大きく聞こえて、章彦は咄嗟に顔を上げた。だが、タオルを噛まされているので、すすり上げる事ができない。
「あー、タオルぐちょぐちょだねー…………新しいのに替えようねー」
「お前っ……まだっ……ムグッ!」
 勝輝が寸暇無く口のタオルを抜き取って、乾いたそれを突っ込んだ。
「これからが本番だよ、何言ってんの」
 これから? 
 勝輝は、自分だけ軽くシャワーを浴びて、全裸で廊下を歩いてきた。その裸の足だけが章彦にも見える。
 章彦の側に膝をつく、その、足。
 目の前に差し出された勝輝の指。
 何か、ピンク色の飴のようなものを持っていた。
 その手が章彦の眼鏡を掛け直して、なお、そのピンクのものを見せる。
「浣腸剤だよ。見たことある?」
 ある訳ないだろうっそんなもの!
 至極腸の動きが正常な章彦は、そんなものの存在すら、知覚していなかった。
「ちゃんと湯せんして体温に温めて上げたから、安心して、ね。ほら」
 それを頬にぺちょりと押しつけられて、怖ぞ気が走る。確かに、わずかに頬より温かかった。
「これをしたかったから、章彦の口をふさがなきゃいけなかったんだ。さすがにこの部屋で絶叫したら、章彦が住めなくなるからさ。俺って優しいでしょー?」
 また引っ越しされてもやっかいなんだけどー……とうそぶきながら、勝輝がソファーのあちらに回った。
 章彦は、全身から脂汗が吹き出して、体が冽たくなったのを感じた。
 ココで……何をさせる気……だ? こいつは……
 今一度、手足を動かしてみるけれど、まったく動かない。
「無理だよー、女のストッキングなんて、どんなマッチョでも引きちぎれないんだから。章彦には特に無理ー」
 すでに、一度してわずかに腫れているそこをなで上げられ、ヒッ……と章彦は喉を詰めた。それはもちろん、痛みではない。
「うわ……章彦、先走りで新聞どろどろだ。ズボンもぐしょぐしょになってる……絨毯まで染みたかな?」
 嫌な事を言われて、章彦はげんなりした。
「じゃ、浣腸、するよー……動かないでよ、章彦」
 軽い声で言われて、咄嗟に体を揺さぶったが、ペニスを陰嚢ごと下から引っ張られて、どうしようも無くなった。
 熱い液体が入って来る……感触。ギュルンッ……と中が動いた。それによってか、内壁全体にそれが回ったらしく、とたんにジクジクジクッ……と染みた。まるで熱湯を掛けられたかのようだ。
「反応ハヤーイッ! と、……もしかして、一回エッチしちゃったから、敏感過ぎたかな? 痛い?」
 必死で首を縦に振る。普通のそれがどういう状態かは知らないが、これだけ痛ければ普及しないだろうという程痛い。
「ま、お仕置きだし、いっか。四〇ミリだから、普通よりちょっときついよね。初めてだから、地獄でしょ? ……三分……そろそろかな……」
 笑いながら、勝輝が……突っ込んで、来た。
「っっっっっっっ!」
「うわっ…………痛っ! きつすぎっ! 章彦っゆるめてっ!」
「っっっっっっっっっっっっっ!」
 ただでさえ引き絞っているそこを割り開かれては、もう、章彦はただ、涙を溢れさせるばかりだ。
 タオルが無ければ叫んだだろう。
 章彦の全身に、先程絶頂したの時とは違う、ドロリとした汗が噴き出した。
 腹を壊しているのに電車に乗ってしまった時の恐慌に似た、焦りと激痛が章彦を襲う。しかもそこを、割り開かれているのだ。開かれれば中のものは下る。だが出る場所が無いから戻って来る。
 内臓全部が中身を押し出そうとしているのを止められているのは、地獄の苦しみだった。
 勝輝に抱かれて、そこが怪我をしたのだろう事は何度かあった。その時は自己防衛なのだろう、丸一日便が出ない。
 便秘など無縁だった章彦は、たかが半日トイレに行かないだけでも、腹が破裂しそうな程の苦しみだった。よくもこんな事を女性は二週間も我慢できるものだ、さすが出産できる体は違う。などと、意識をよそに逸らして我慢していたが、それも限界がある。今は特に、体は出そうとしているのだ。しかも、薬剤まで使って!
 それを他人に無理やり止められては、目から火花が出そうなほど、もがいてしまう。
 その上、勝輝は……動き出した。
 ただでさえ渦巻いているそこを突き上げられる、苦痛。前立腺をこすられる快感。背中に密着され、乳首を揉み上げられると、快感は生み出されて喘いでしまう。
 吐きそうな程気持ち悪くて痛いのに、腰は熱くて、章彦自身は水鉄砲のように先走りを吹き出していた。
「イッちゃいな、章彦」
 耳元でそう囁かれ、ギュッと乳首をひねられて、イッた。激痛のような絶頂に、意識が遠くなる。
 しかも、まだ勝輝は動いているし、腹の痛みは続いていた。何がどうなっているのか、まったくわからない。体を動かされているのは判ったけれど、章彦自身は動けなかった。
 手足を解放され、挿れたまま、体を回転させられて、勝輝に抱き締められている事に気付く。手は、勝輝を抱き締めるように勝輝の背中でくくられていた。その上から勝輝が腕を出しているので、章彦は手を取り戻す事ができない。
 口のタオルもそのままだ。足は自由だが、最奥を貫かれて抱き締められていては、壁を蹴る以外、何もできない。いつのまにか、全裸にさせられていた。勝輝も服を着ていない。
 激痛に目眩と吐き気がして、意識が朦朧としてきた。
「お仕置きなのに、イッちゃったね、章彦。痛くなかったの? 痛いけどイッたの? マゾなの?」
 笑った顔でそう問われて、章彦は勝輝の鼻先に頭突きをかました。勢いの無いそれは勝輝の掌で押さえられたけれど、勝輝の顔から笑みが消えて、震え上がる。
「章彦って学習機能無いよねぇ? この状態で俺を殴ったらどうなるか、なんでわかんないの? もう、トイレに行って上げようと思ってたのにぃ?」





どこに行く気なのでしょうか……

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