レイ・カ

　　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 　ザーッ、て、血の引く音が、ホントに、した。 　白く長いサル・シュくんの指が、ハンドバッグから口紅を出してきて、私の口に、塗る。 「おそろい」 　自分のくちびるを指して、セクシ...

　　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 　なんかやってるんだ？ 「サル・シュくんは知らない？　ショウ・キさんは？　レイ・カさんは？」 「そこら辺は知らないなぁ。でも、父上の周りにいるんじゃないのか？　俺の周りにこれだけ...

　　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 「ハル、カメラが回ってるぞ」 「はっ」 　床に下ろされたから、慌ててリョウさんの後ろに隠れた。でももう、注目の的！　この、『紛れ込んだ』感酷い。有名人ばっかりっ！　怖いよー。私は...

　　　 　 　　 　 　　 　 　　 　 　ひっ……ひゃぁあぁあああぁぁぁぁっっっ！ 　蛮族で始まって、こんな文化的なお城でラスト？ 　凄くない？ 　ああ……、でも、沙射皇帝を敵にしてるから、最後の最後で、責め滅ぼされ...

　　　 　 　紅渦軍が史留暉（しるき）君を行程に担いで反乱を起こした！ 　でも『前回』は『史留暉皇太子』だったわ。 　キラ・シが、沙射君を一緒に連れ回してたからだ。 　彼がいることをル・アくんが知ってたから、一つ下げて皇太子で担い...

　　 　 　もう終わりなら、もっと強くなりたい。 　それは、わかる。 　ぐずぐずしていたくない。 　それも、わかる。 　しかも、怪我をして帰ってくるってことは『弱くなってる』んだ。それをもう『自覚』してる。 　でも、サル・シュ...

　　 　 　ル・ア君が死んだ。 　キラ・シの全員が、泣いていた。 　煌都（こうと）は黒い涙が湖になった、と語り部たちが歌っていた。 　ル・アくんはもう政務をしていなかったから、何も、変わらない。 　ル・アくんの子を妊娠してた貴族...

　　　 　 　とにかく、太陽が出てる間は、一時間ごとにその数の鐘を鳴らす。 　ただ、真夜中をゼロにしても意味がなかったから、中天に一回、午後一時と午前１１時に二回、午後二時と午前１０時に三回、っていう鳴らし方にした。朝は日の出から、夜...

　　聞いてしまってから、これは先に教えちゃいけなかったかな？　と思ったけど、もう仕方ない。 　先見できるって知ってるし、その名前をル・アくんが実際に聞いたときに、ああ、と思うだけだよね。 「セキラ？　セ・キラ…………『次にキラ』だから、...

　　「……さっき、ル・アにも……そう、言われました……」 　こうやって、あちこちで勧誘してるんだ？ 　でも、サル・シュくんって、羅季（らき）語わからないんだよね？　でも、私がいなくても、普通に話しかけたんじゃない？ 「どうせこのクニは...