【赤狼】女子高生軍師、富士山を割る。127 ~一番ハード~

 

 

 

 

  

 

  

 

『ガリさんの時』みたいな、面倒くさい疲労感……

 朝から。ちょっとイラッとする。

「ル・マちゃん、服着よう」

「なんで?」

「ここ、まだ敵のど真ん中だよ?」

「父上達いるし、どうせ出陣させてくれないし、ハルナといるーっ」

「じゃなくて……、ル・マちゃん、血の道始まるでしょ? はい、下着つけて」

「なんでそんなこと知って……」

 サー……と、ル・マちゃんが青ざめた。

 本当に、いつも大変だよね、かわいそうに。

「先見で見てるから、そういうの。ほら、ラクにしてていいから足上げて」

 よいしょっ! てパンツ履かせて温石帯巻く。

 座ってもらって服着せた。

 あれだけ昨日暴れてたのが嘘みたいにクテクテしてるル・マちゃん。これはこれでかわいい。

「あら、ガリさん。おはよう。制圧行かなかったの?」

「昨晩行ってきた」

 ああそっか。いつも皇子様どうにかしたあと、出てたもんね。最初のウチは、今日の朝も帰って来ないものだったのにな。

「今から行ってくる」

「……行ってらっしゃい。気をつけてね」

 ふわふわって頭撫でられた。そのまま……キス。

 え?

 ディープッ!

 だけだった。

 ハッとしたときにはもうガリさんいない。

 夢じゃないよね?

 あれ? 私、リョウさんの女になったんじゃなかったの?

 動くと体が割れそうに痛いから、アレ自体は夢じゃない、はず。

「はーいっ! ハルナ! ル・マ! 起きてるーっ?」

「ル・マちゃんはご機嫌斜め」

「ああ、知ってる知ってる。ハルナは?」

「別に、……私は、ご機嫌、どうもないよ?」

「お前も今日から血の道だろ? ル・マみたいに痛くないの?」

「え? なんで知ってるの?」

 始まったのさっきだよ?

「俺、孕み日、においでわかるから。そういうのも、わかる」

 そっか。

 トスン、と私の隣に座り込んで、ニコッ、と笑う天使。

 本当にサル・シュくんって美人ーっ!

 チュッ、てキス、された。

 え?

 そのまま、頭を掴まれてディープっ!

 あれ? なんで?

 というか…………キスだけでイかさないでよっ!

 胸もがっつり揉まれた。

 あの男っ……いつもいつもいつもっ…………

 なに考えてたっけ? あれ? ガリさんにキスされたの、本当に夢だった? あんなに『他の男に触られる』のを嫌がってたのに……

 サル・シュくんも、いなくなってた。

 なんだったんだろう……

 ル・マちゃんも寝ちゃってるので、おなかに温石玉を寄せて、玄関に下りた。

 そうだ、地図書かないと……

「リョウさん……車李(しゃき)の出陣、どうなった?」

「ガリとサル・シュとレイ・カが出た」

 ああ、もう、出陣したんだ?

「眠そうだな、ハルナ。寝ていていいぞ」

「うんー………………ちょっと、したいことがあるから……」

 地図、書いてるウチに目が覚めてきた。

 もう、何回書いただろう、この地図。慣れたもんだよねー。

 あと、いつもしようと思って後回しにしてた。羅季(らき)王城の城壁の修理を今からマキメイさんに頼もうとして、やめた。ここが攻められたことはあっても、あの城壁が役に立ったかどうかはわからないけど、壊されたんだから、直したいよね。

 ってのは、たんなる見栄で、私が生きてた間に役に立ったことがないよね? タダでできるわけじゃないんだから、やめとこう。

「ナニを考えている、ハルナ」

「……何も……」

 本当に今、何も考えてなかった!

 ボーッとしてた。

 朝から何回もイかされて……頭飽和状態。

 あれって夢だった? 現実だった?

  

 

  

 

  

 

 私、倒れてたらしい。

 ル・マちゃん抱き枕で寝てた。

 またあの三人来て、ディープキスでイかされた夢見た。

 この状況で欲求不満なの? 私。

 翌日、くてくてのル・マちゃんから、チュッてキスされた。

 まぁ、かわいいキス。

 私もチュッと返したら、エヘヘヘヘ……って、青ざめた顔でも笑ってくれた。

「ル・マちゃんかわいい」

「ハルナかわいい」

 意味もなくクスクス笑い合う。

 こんな女子会、気持ちいい。

『現代』だとすごく面倒臭くて、オタク以外の女子と一緒にいることなんてなかった。

 なんていうのかな……ファッションと、男以外の情報が欲しかったんだ。

 ゲームしたいときはゲームオタクの男の子のところ行ってたし、漫画読むときは漫画オタクの部屋行ってたし。

 そうだよね……この世界来てナニが一番いやって……私、パソコンスキル、結構高かったんだよね…………それが、何一つ生かせないのが、きついし、面倒臭い。

 キラ・シのあの地図とか、短冊とか、エクセル使ったら一瞬なのに。

 でもまぁ、ペーパー工作とかで型紙書いた経験は、生かされてると思う。

 やっぱり『リアルスキル』が一番役に立つよね。

 絵を描くとか。

 そういえば、ちょっと暇なときがあったから、あの時に、似顔絵でも描いてみようかな。多分、みんな喜んでくれると思う。

 そうだ、キラ・シの武勇伝を絵物語で書いちゃうとか、面白いだろうな……私に、小説のスキルがあれば……

 そうだっ! 琵琶法師みたいな人に、話して聞かせて、歌を作ってもらえばいいんだっ!

 今回は、カタカナの書き方講習やったから、みんな自分で短冊作ってくれて、ヒマ。

 いや、考えなきゃいけないことはいっぱいあるんだけど、とりあえず、生理終わってから。今はただ、寝たい……

 生理終わったその日、ガリさんが夜、来た。

「え? リョウさんじゃ、ないの?」

「リョウに聞け」

 この面倒くさがり屋っ!

  

 

  

 

  

 

 凄い熟睡できた。

  

 

  

 

  

 

 翌日はサル・シュくん。

「ねぇっ……なんなのこれ。なんでリョウさんとガリさんと、キミなのっ?」

「ん? あの時、三人同時だったから。三人でハルナを孕まして、当たった奴の勝ち!」

「は?」

 珍しく、理路整然とサル・シュくんが説明してくれたけど、なんですって?

「大丈夫大丈夫、孕み日以外、三人一緒にはしないから!」

「ナニ怖いこと言ってるのよっ!」

 このあと、本当に、じゅんぐりに毎晩三人が来て、孕み日に、三人が、いた。

 念のため、って、そのあと三日三人で抱かれて、もう無理です……

 今までで一番ハードだった……

  

 

  

 

 

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