【赤狼】女子高生軍師、富士山を割る。138 ~ブラジャーつけるところ~

 

 

 

 

  

 

  

 

  

 

 気がついたら、たき火の側で寝てるサル・シュくんの上で、私が寝てた。

「もう少し寝てろ……」

 めっちゃお尻揉まれる。なんか全身ジンジンしてる。

 え? そう言えば私、服は?

 なんか、動けないよ?

 まぁいいや……とりあえず、寝た。

 寝ないとやってけないのは分かってるから……

  

 

  

 

  

 

 朝。ってまだ、全然辺り見えないけど、キラ・シは朝が早いから、みんな起きてごそごそしてる。

 サル・シュくんが起き上がってくれたから私も膝に座らされて、ようやく事態が分かった!

 服の着せ方がわからないから、とりあえずかぶせて、蔓でぐるぐる巻きにされてたっ! 袖も通ってないしっ! これっ、拘束服みたいになってる! なんかつらいと思ったら、腕が全然動かないからだ。あちこち痺れてる……ちょっと……ずりずり動くぐらいには緩いけど……

「パンツは?」

「これ?」

 懐から出してきてくれた。人肌のぬるいパンツとブラジャー……ウウッ……豊臣秀吉が草履を温めてくれたようなありがたさは……ないな………………。

 膝に座ったままパンツとスカート履くって、凄い難しい!

 しかも、ル・マちゃんとかガリさんとかリョウさんとか、みんな見てるしっ! なんの遠慮もないしっ! ル・マちゃん、ブレザー持って行ったっ!

「サル・シュくん……みんな、先行ってもらって?」

「ナニ? またシタイ?」

「………………………………シタクはないけど……見られてるのがいやなの」

「ふーん…………」

 首筋に顔を埋めてクンクンされてる。それやめてほしい。

 リョウさんが号令掛けながら行っちゃった。それに合わせてみんな駆けて行ったのに、ガリさんとル・マちゃんが残ってる。

「なんで、ガリさん行かないの?」

「どうやって着る」

 そこかー…………

 ガリさんは、ブラジャーつけるところが見たいんだ? 知らない服だから。

「サル・シュくん…………シテいいから、行ってもらってくれない?」

 ニャハッ、て、本当に嬉しそうに笑う。クソッ……かわいいっ!

 嘘みたいにかわいい!

 今までもサル・シュ君、かわいかったけど、桁違いにかわいいっ!

 ナニ?『俺の女』だから?

 こんな顔、ル・マちゃんに見せてたってこと?

 うわぁ……

 なんか、私の人生に花マルついた感じ。

 まだ太陽登ってないのに世界が輝いてる!

 サル・シュ君が一番輝いてる!

「俺のだから見せなーい。族長、先行って?」

「……抱くな。女の体に悪い」

「抱いてないよっ! ホントホントっ!」

 自分は毎晩抱いたくせにっ! あの時、ナニ考えてたのよ、ガリさん! 私の体に悪い、って知っててアレしてたの?

「証拠は?」

「はい」

 ヒャッァッッッッッッッ!

 私の足開いて、パンツずらしたっ!

 メッチャ、マジマジと、ガリさんに、見られた。

 ブラジャーつけるの見られた方がマシだったよっ!!

「早く来い」

 ガリさんも、ル・マちゃんを連れて行ってくれた。納得したらしい。

 たき火の後始末しない原野に二人と馬一頭。

「そう言えばキラ・シって、たき火の後始末しないよね?」

「戦の時はたき火しない」

「敵がいなかったら、たき火見られてもいいってこと?」

「うん。大体、ここらへん誰もいないし」

 そっか。見られていいなら、始末しないんだ? まぁ、そうか。

 ぎゅうぎゅうされるから、その腕の中でブラジャーつけて、シャツのボタンはめる。難易度高いな。なんでこんな、『服を着る』なんてことがこんな難しいの。

「私、本当に、サル・シュくんに抱かれてなかったんだ?」

「疑ってたのーっ? ひどーいッ! ひどーいっ!」

『現代』じゃなくてもギャルって居るんだなぁ……

「だって、あれだけして、してないっておかしいと思った……から……」

 確かに筋肉痛は、『リョウさんの時』にもあった、乗馬のためのものだけ。……うーん……首回りが痛いな。ずっと後ろからキスされててのけぞってたからかな? 縛られてるのもあるだろうし……節々が痛い……

「するなって言われたし。しないよ」

 ガリさん大好きだもんね。でも、その『一点』だけ以外も守って欲しかったなー……

「しなーいよ?」

 ニャハッ、って笑う、サル・シュくん。かわいい……

 キラ・シって男の人ばっかりなんだから、そういうしぐさが『女の子の真似』ってわかってやってるんじゃないだろうし、なんでサル・シュくんってたまにギャルなの? ああ、『子供のフリ』なのかな? でも、キラ・シの子供って、『現代』の子供みたいな、子供子供してないんだよね。唯一の女の子のル・マちゃんも、絶対こんな口調にならないのに。

「ナニ?」

「サル・シュくんの、その、かわいい駄々のこね方とか、どこで身についたのかなーって」

「え? ダダ? こねる?」

 そっか、子供にわがまま言わせないから、そういう言い回しもないんだ?

 今のうちにささっと服を着てしまった。

「ひどーいっ! とかの、甘えた言い方」

「そんなとこ見てたのか? ナニ? 先見で見えないの?」

「私が居たことしかわからないから」

 キョン、とサル・シュ君の目がまんまる。ホントかわいい。

「それは、この先、ハルがいるような時だけってこと?」

「うん。私が聞いたとか、見たとかじゃないと、」

 サル・シュくんが、すっごい、安心した顔をした。

 私の見てないところで凄いことしてるんだ?

 まぁ、そうだろうね。なんか、想像はつくよ。鮮明には想像しないけど。別に、『今まで』支障なかったから、かまわない。考えたくない。

 ようやく馬に乗せてくれた。

 後ろにサル・シュくんが乗り上がる。馬を歩かせだしたら、サル・シュくんが、私のシャツのボタンを下から外して行った。私が着てるの見て覚えたんだっ! 早いっ!

「何してるの?」

「シテいいんだろ?」

 ファッ!

 リョウさんっ! リョウさん、あなたの理性は本当に凄かったっ!

  

 

  

 

  

 

 けっこう、『ガリさんの時』みたいに失神してて、たき火で食事してないことが多かったけど、『先見できる』って前情報があるから、たまに喋ったときにいろいろ話ができた。

 羅季(らき)城では案の定、ガリさんが『山ざらい』一発で全滅させて、シャンデリア落とされて、皇帝は死んで……うん。ここまではもう全部見た。

 違ってたのは、お風呂に無理やり、サル・シュくんもついてきたこと。いつも女官さんに止められて外からドア叩いてたのに。

 そして、今回、ル・マちゃんは触ってこなかった。

『サル・シュの女』は『父の女』より遠いんだね。

 それはいいんだけど、サル・シュくんのドアの叩き方が『今まで』と違うっ!

「ハルッ! 押さえてる奴らっ、ブッ殺すぞっ! 開けろっ!」

  

 

  

 

  

 

 

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