【赤狼】女子高生軍師、富士山を割る。92 ~父の妻~

 

 

 

 

  

 

「え? ガリさんが、私に? ナニ? キャァッ……アハハハッ……やだっくすぐったいよっル・マちゃんっ!」

 あちこちなでなでなでって触られた。

「凄い……ハル、どこもかしこも柔らかい…………多分、父上、それに感動したんだと思う。父上があんな、同じ女何度も抱いてるの初めて見たもん」

「え? そうなの?」

 ただの女好きじゃなかったの?

「父上な、子作り好きじゃないんだぜ?」

 それはウソでしょ。

「女館入れるの、十日あって、他のやつらはずっと入り浸ってるのに、一日で出てくるもん」

 あのナンパ族長さんが? 前も、毎日10人ぐらいベッドにいたよ?

「私、だって、ずっと抱かれてたよ?」

「ああ……うん、だから、おかしいな……って、前は、面倒くさい、って言ってたんだ」

 面倒臭くて十人侍らせないでしょ。

 多分、娘には見せてないだけだと思う……って、ガリさんのベッドシーンでル・マちゃん寝てたしなぁ……『してない』って思い込んでるわけでもないんだよね。なんなんだろう? これ。

 お風呂の中で、ル・マちゃんに抱きしめられた。

「ハル……こうしてるだけで気持ちいー」

 背中なでなでされてる。

 ああそうか……『父上の女』だから、ル・マちゃんからすると身内みたいなもんなんだ?

 元から、側に女がいるってだけでも違う上に、似た年齢だし、私のほうがおねぇさんだし、今なら、『父の妻 俺の母』扱いかもしれない。いや、母はないか。母扱いされても困る。

 でもとにかく、『リョウ・カの女』は他人だもんね。一応、『(血)筋が違う』ことの区別はあるんだ?

 よかった、ル・マちゃんと仲良くなれて。どうしようかと思ってたんだよ。

「おーいっ、ル・マー、なにやってんのっ! 入れろよーっ!」

 女官さん三人が押さえているドアを、サル・シュくんが叩いてる。

 入れてあげたら、バチ、と目があった。

 その瞬間、サル・シュくんが一歩引いてあっち向く。どういう反応? それ。

「どうしたサル・シュ」

「ル・マっ……裸だろそれっ!」

「サル・シュも裸で入れよ、気持ちいーぞーっ!」

「入るのはいいけど、ハルは出せっ!」

「私?」

「族長の女の裸なんて見たくねーよ! 抱きたくなったら殺されるっ!」

 そっか。こっちも『リョウ叔父の女』は半分身内だったんだ? ああっ! だから、馬から落ちたとき、あんなことしてまで助けてくれたんだ? ……あの時なら他の女の人でもするとは思うけど、『近い筋』ってのは、あったんだ?

 もうちょっと入ってたいんだけど、今、お城にいるキラ・シ全員入ってもらうためには、ここでサル・シュくんを早めに入れておかないといけない。

「ル・マちゃん、サル・シュくんが入ろうとしたら、さっきの『かけ湯』するんだよ?」

「おうっ! 壁にぶつかるまで掛けてやるぜっ!」

「で、リョウさんも入れてあげて?」

「なんで?」

「お風呂出たらわかるけど、ル・マちゃんが綺麗になったから、キラ・シのくさいのがわかると思うよ。みんなお風呂入ったら綺麗になるから」

「ふーん…………それは、また、その時にな」

「大丈夫。絶対くさいから」

 私だけ先に上がって服を着せてもらった。

 う、クサイ! キラ・シ、くさい! 物凄くくさいっ!

「マキメイさん、もうちょっとでキラ・シにお風呂、入ってもらえるからね。ごめんね」

「あ……はぁ…………そうですか。ありがとうございます!」

 泣いてまで喜んでくれてる。というか、くさくて涙が出る。ホント。

 マキメイさんに生理用品の用意を頼んだ。多分、ル・マちゃんも私もそろそろ始まるはず。

「ハルナ様、申しつかっておりました、温石を帯にするアレですけれど、試しにしてみたら、凄く気持ちよくって、わたくしどもも使わせていただいてよろしいですか?」

「どうぞどうぞ。あれ気持ちいーよねーっ! 月のものの痛みも、凄くマシになるよ! あと腰痛とか!」

「腰痛もでございますかっ!」

 よっし、マキメイさんのハート、重ねてゲット!

 リョウ叔父ーっ! って、下の方でサル・シュくんが走り回ってる音がする。

「みんな、お風呂入ってもらえそうだ」

「……本当に、ようございました!」

 マキメイさんもニコニコ。

「あ、そうだ。キラ・シの男の人達は、食事、勝手に獣狩って来るから、陛下用の高級な豚とか鶏とか、出さなくていいからね? 私達にだけ出して」

「そ……そんなことをして、大丈夫ですか?」

「肉が足りませんって言ったら、取ってきてくれるから。それを料理して。味付け薄めでね。好きにさせたら勝手に焼いて食べるし、彼ら」

「はい……承りました」

「それと、移動するかもしれないから、身の回りのもの、集めておいてね。パッと出られるように」

「私どもも、一緒に、この城を出るのですか? あの方々と?」

 あ、この時点ではマキメイさん、まだサル・シュくんの恋人じゃないんだ?

 あれ? 夜しかしないなら、今日このお城を発ったら、キラ・シは誰一人彼女たちを抱いてないよね? なら、ついて来ないかな?

 でも、そうしたら全員殺されちゃう? リョウさん、女の人は殺さなかったけど……どうだろう?

「移るときは希望を聞かれると思うから、その時でいいよ」

「……はい…………」

 そうだよね。私とマキメイさんの友好度も、まだそんな高くないもんね。

 お風呂の確認に行ったら、とりあえず、キラ・シの人達が交代で入ってるみたい。よかった。

 ル・マちゃんが駆けてきた。

「ハルッ! ここにいたのかっ! ちょっと寝ようぜっ! ……ふぁああぁあああっっ……眠いっ」

 全然眠そうじゃないのに。

 全裸のル・マちゃんが私の手を引っ張って、どこかの部屋に入る。前とは別の部屋だ。

「これ、脱げ」

「え?」

「わしゃわしゃする」

 寝間着脱がされた! 胸揉まれた!

「これナニ?」

「下着、引っ張らないで! ……血の道が今日あたりくるから」

「ナニ?」

 生理用パンツを説明する。

「……そんなのするのか…………でも、毛皮汚れなくて済むな…………俺もそろそろだし……」

「面倒だよねぇ」

「ホントにな…………ぁ……」

 ル・マちゃんの顔からみるみる血の気が引いて行った。握ってた手が、スーッて冷たくなっていく。

「来た……」

 とたんに、ぷわぷわ飛んでた風船の空気が抜けたみたい。

 くて、とル・マちゃんがベッドに横になった。

「ル・マちゃんのも用意してるよ。はい、履いて?」

「ふん…………」

 もう、なすがまま。下着に足通してくれる。腰に温石帯を巻いて、裸で毛布にくるまって寝た。

  

 

  

 

  

 

  

 

  

 

  

 

  

 

 起きたら、目の前にル・マちゃん。天使の寝顔。あー、かわいーっ!

 あれ、抱きしめられてるのかな……うごけ…………ない…………

 後ろから私の肩に黒髪。しかも、玉飾りついてる……ル・マちゃんの髪は、飾りなかった筈……大体、ル・マちゃんは私の目の前。

「ガ……リ、さん……?」

  

 

  

 

  

 

 

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